胎児の初期スクリーニングをやっている病院は今住んでいる場所には無いので、
少し遠いけど、今回は東京まで足を運んだ。
つわりもしんどくて、学校を早退してまで行ったので、行きの新幹線に乗りながら
“やっぱりやめたほうが良かったかな”なんて少し後悔すらしていた。
妊婦健診の度に、「ちゃんと動いているかな」と、その心配が最優先で、それ以上の心配を
することなんて私にとっては贅沢なことだった。だから胎児スクリーニングを受けようと
思い立って予約をとったのは11週に入ってから、12週に受けた方が良い検査の直前だった。
東京のクリニックはどこもいっぱいで、そらそっか、なんて諦めようとしていたところ、
最後の一件が予約を受け付けてくれた。
場所は、ここから行くには少々アクセスが悪くて、でも仕方ない。
時間も、学校を早退しないといけない時間だったけど、まぁ仕方ない。
2時間半ほどかけてたどり着くと、(産科もあるので)入ってすぐ新生児の泣き声。
待合も白を基調とした明るい室内。待っている人もスタッフの方も、みんな明るい。
これまで不妊治療のクリニックにばかり通っていたから、待合は皆神妙な面持ちの人で、
でもその真剣さが伝わってきて、嫌いではなかったのだけど、ここは別世界なのだなぁ。
私はここに、仲間入り出来るのかなぁと、自分とは異種の雰囲気に慣れるのにまごついた。
問診票に記入をして暫く待つ間、教科書に目を落としていると、スタッフの方が会計しようと、
「○山○子さーん」と、待ってる妊婦さんに声をかけている。
○山○子・・・・・あれ?知ってるよその人?
顔を上げてその方を見てみると、あれまぁ、去年まで派遣先で一緒に働いていた○子ちゃん!
私が流産の手術をした翌日に、彼女が入ってきて、引き継ぎをした彼女。
当時は偶然にも彼女も不妊治療の末授かった子が残念な結果になって、手術を終え、
家にいても仕方がないと派遣で私のいた会社に入ってきたのだった。
二人で不妊治療のことをネタに、よく笑いあった。
妊娠中の友人に握ってもらったおにぎりを2等分して、一緒に食べたり。
彼女がいなかったら、私は今でも黒ーい顔をしていたかも。
○子ちゃんのお腹はぽっこり膨れていて、すっかり妊婦さんになっていた。
どうしてるかなと思ってたから、あぁぁ良かったーーー!
声をかけてみると、あちらも驚愕した表情、真ん丸な目で私をはぁーーーっと凝視。
「な、なにやってるん・・!?」
ははは、これこれこうで、東京までノコノコやって来たのよ、うんたらかんたら。
そこから私が呼ばれるまで30分くらい、夢中になってここまでの経緯を二人で話した。
流産した時期も同じくらいで、互いに励まし合って、そんな二人が1年後の今、こんな風にして
産科で話してるなんて、なんだか夢みたいだねと。
粋なはからいだった。
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